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糖尿病内科

糖尿病内科を受診される方によく見られる疾患

糖尿病とは

糖尿病とは、インスリンの出が悪くなったり、効きが悪くなったりして、慢性的に血糖値の高い状態になる病気です。糖尿病には大きく分けて2種類があり、多くが小児期~思春期に発症する1型糖尿病と、成人が発症する2型糖尿病が知られています。日本では95%以上が2型糖尿病です。糖尿病は、軽症のうちは症状らしい症状が現れないため、病気を自覚することも無いままに長く放置されやすく、気づかない間に合併症がどんどん進行している危険性があります。そのため、倦怠感や疲労感、口渇、多飲、体重減少、おしっこの回数が多く尿量も多い、足がつったりしびれたりする、目がかすむなどの症状が出始めたときには、病状がかなり悪化してしまっているケースが少なくありません。時には生命にもかかわる糖尿病性ケトアシドーシスやけいれん、意識障害を起こしかけて、はじめて受診される患者さんも見受けられます。

糖尿病人口の
現状

日本における糖尿病人口は増加傾向に歯止めがかからず、40歳以上の3人に1人が糖尿病、またはその予備軍になっていると言われます。
2014年の糖尿病アトラス(IDF:国際糖尿病連合)によれば、日本の成人糖尿病人口は現在721万人(診断を受けていない患者を入れると1,110 万人)で、糖尿病人口の世界ランキング・ワースト第10位となっています。

糖尿病が増えている理由

それでは昨今、日本人に糖尿病が増えている理由は何なのでしょうか?食事をすると血糖値が上昇し、膵臓からはインスリン(血糖を下げるホルモン)が血中に分泌されます。このインスリンが体の細胞に作用することによって血中の糖が細胞に取り込まれ、血糖値は下がります。インスリンは食後に上昇した血糖値を下げ、一定の範囲内に保つようにコントロールしているのです。そしてインスリンの出が悪くなったり(インスリン分泌不全)、インスリンが出ていても効きが悪くなったりすると(インスリン抵抗性)、インスリン作用不足となり、糖が血中に停滞し、血糖値が上昇していきます。日本人を含む東アジア人は、欧米人に比べてインスリン分泌能が遺伝的に弱いと言われます。古来より日本人は、魚類、野菜、米食中心の食事をしてきました。しかし近年、食の欧米化に伴い、動物性脂肪をより多く摂取するようになりました。毎日エネルギーの多い食事を摂取したり肥満したりすると、インスリンの分泌も必然的に多くなるため膵臓が疲弊してしまい、ついにはインスリンを分泌する能力も低下してきます。すると、血糖値を下げ切れなくなり、「糖尿病」を発症してしまうのです。

糖尿病の現状

糖尿病は自覚症状の乏しい病気です。次の点に注意して、当てはまる場合は早めの検査をお勧めします。

  • 急に体重が減少した

  • このごろ太ってきた

  • おしっこの回数が増えて、量も多い

  • だるい、疲れやすい

  • 手足がしびれたり、立ちくらみがする

  • 足がむくむ、重くなる 等々

糖尿病の検査と診断

糖尿病の検査では、やはり血糖値を調べます。食事によって、血糖値は上がったり下がったりするため、10時間以上絶食後の「空腹時血糖値」の測定や、一定量のブドウ糖を溶かした溶液を飲んで、その後30分、1時間、2時間で血糖値とインスリン分泌量がどうのように変化するかを調べる「75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)」で診断します。血液検査で、空腹時血糖値が126mg/dl以上か、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)で2時間後血糖値が200mg/dl以上、または食事摂取の有無にかかわらず随時血糖値が200mg/dl以上の場合は「糖尿病の疑い」となります。そして再度、別の日に行った検査で同様な数値が確認されるか、眼底検査で「糖尿病性網膜症」所見が陽性か、HbA1C値が6.5%以上なら、「糖尿病」と診断されます。当院では、糖尿病の尿検査・血液検査を、また必要に応じて頸動脈エコー評価を行います。

糖尿病の治療

糖尿病治療の中心は食事療法と運動療法です。糖尿病においては、食事療法と運動療法が治療の基本であり、薬物療法よりも大切であることを忘れてはなりません。

食事療法

当院では、糖尿病専門医による治療だけでなく個別の栄養相談も行い、患者様お一人お一人のライフスタイルに合わせた食事療法をご指導しております。食事療法では、特に食事内容の再確認と毎日の総エネルギー摂取量の調整が重要です。

食事療法のポイントは、朝昼夕食を規則的に摂取して間食を控えること、毎食を腹八分目に抑えること、野菜や根菜、魚をメインにして脂肪食は控えめにすること、また「糖尿病を改善して健康な体を取り戻す」という目的意識をもって、食事の際はよく噛んで食べることなどです。

運動療法

現代人の多くは運動不足に陥っています。車や電車などの交通機関が発達し、生活が便利になった反面、活動量や運動量は減少してしまいました。運動量が減れば、消費エネルギーも減ります。そして摂取エネルギーの方が多くなるとエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満をもたらします。事実、脂肪摂取量が多くなるほど、また車の保有台数が増えるほどに糖尿病が増加するという正の相関関係が認められています。

人間には毎日30分程度の有酸素運動が必須なのですが、日々忙しく働いている方にとってこの運動量をこなすことは、とても大変なことです。仕事帰りに電車一駅区間を歩いてみることから始めるだけでも「立派な運動療法」になります。何よりも実践とその継続が大事なのです。

薬物療法

当院では、糖尿病専門医による治療だけでなく個別の栄養相談も行い、患者様お一人お一人のライフスタイルに合わせた食事療法をご指導しております。食事療法では、特に食事内容の再確認と毎日の総エネルギー摂取量の調整が重要です。


食事療法のポイントは、朝昼夕食を規則的に摂取して間食を控えること、毎食を腹八分目に抑えること、野菜や根菜、魚をメインにして脂肪食は控えめにすること、また「糖尿病を改善して健康な体を取り戻す」という目的意識をもって、食事の際はよく噛んで食べることなどです。

インスリン療法について

健康な人では、一日中少量のインスリンが分泌(基礎分泌)されており、さらに食後に血糖値が上昇すると大量のインスリンを分泌(追加分泌)することによって、血中のブドウ糖量が一定に保たれるように調整が行われています。
1型糖尿病では、このインスリンが非常に不足しているか、または全く分泌されないため、この調整を行うことができません。そこで、1型糖尿病ではインスリン製剤を自己注射によって体の外から補って、健康な人と同じ血糖値の変動パターンに近づけ、血糖コントロールを図ります。これが「インスリン療法」です。
2型糖尿病でも、1型糖尿病が疑われる場合、血糖コントロールが経口薬だけでは上手くいかない場合、妊婦さんなどに用いられます。

従来、インスリン療法と言うと血糖コントロールが上手くいかない場合の最後の手段と考えられていました。しかし、インスリン製剤やその治療法は飛躍的な進歩を遂げ、インスリン療法を取り巻く環境は今なお進化し続けています。さらに近年、合併症の予防を目的に「早期から良好な血糖コントロールを実現する」という治療概念に基づいて積極的なインスリン導入が推奨されるようになり、1型糖尿病のみならず広く2型糖尿病治療にも受け入れられ、活用されています。現在では、様々な製剤の種類がありますので、自分の状態やライフスタイルに合った治療法が必ずや見つけられます。

糖尿病の合併症

糖尿病とわかっていながら治療をせずに放置したり、また発見が遅れたりして合併症が出現してしまうと生活の質(QOL)の低下につながりますし、最悪のケースでは失明や心血管病の発症などをきたし、生命に関わる事態も招きかねません。
糖尿病が慢性化すると、体内では糖尿病の合併症とされる「微小血管障害」が生じます。手足のしびれ感を生じる「末梢神経障害」、視力障害の原因となる「糖尿病性網膜症」、さらには腎機能低下を招く「糖尿病性腎症」など、様々な病気を引き起こしてきます。
こうした合併症に共通することは全身の細い血管に動脈硬化が生じることで、進行すれば視力障害、ときには失明、腎不全、足の壊死(えし)など、重篤な合併症を引き起こしてきます。さらには心筋梗塞や脳梗塞などを発症し、生命を危険にさらします。
心筋梗塞の原因である冠動脈狭窄病変や足の閉塞性動脈硬化病変は、いずれも病変がびまん性(全身にわたり広範囲に広がっている様子)で、かつ石灰化して「硬い」動脈硬化を生じることが糖尿病による場合の特徴で、治療に難渋することもしばしばです。また、糖尿病になると体の免疫力が低下するため、感染症を起こしやすくなります。
そのため、日々の血糖値を良好にコントロールしながら、かつ合併症を未然に防ぐことが糖尿病治療の重要なポイントになります。


他の病気と同様に糖尿病に関しても、やはり早期診断・早期治療が大切です。
健康診断で「糖尿病の気がある」などの指摘を受けた方はもちろん、このページでご紹介している症状に思いあたる方や、ご自身の生活習慣を振り返って将来的に糖尿病が心配に思われる方は、一日も早く当院にご相談にお越しください。

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